シンプルな白いうちわ。
光にかざしてみると、
浮かび上がる木の葉のシルエットが、
「こもれび」をつくり出します。
日本最古にして最大の和紙の産地、越前。
ここは日本で唯一、紙の神様が祀られ、
千五百年前から和紙づくりが発展してきた場所。
現代まで受け継がれるその技術で、
こもれびの模様が入った透かし和紙を、
一枚ずつ手で漉いて仕上げました。
京都の宮廷文化の中で育まれた「京うちわ」。
放射状に並ぶ優美な骨組みは、その特徴のひとつ。
洗練された手の感覚で均一に並べられる。
その上に、薄く漉いた和紙を丁寧に合わせていく。
繊細な手仕事の積み重ねが、見た目にも美しく、
心地良い感触のうちわを生み出します。